担当の技術領域を紹介してください
四輪新機種のボディを構成するプレスおよび樹脂部品のデザイン検討や金型設計製造そして量産品質、生産性の保証までを担当する領域です。特にボディ部品は四輪のイメージを大きく左右する重要な役割を担っています。デザイナーが考えたクルマを、忠実に量産車へ具現化し、Hondaの先進性を期待しているお客様を満足させることが車体金型領域の役目だと考えています。
デザイナーが考えたクルマを量産化するための方法は?
3DデジタルCCDカメラを使用した高度な形状測定技術、および測定したデータをNC加工機へ反映させてゆく独自の技術が挙げられます。これによって、これまで経験と勘に頼っていた「形状見込み量」を正確に金型へフィードバックできます。また、新機種開発を通して蓄積されてきた膨大な生産技術のノウハウを最適化する「ナレッジDEシステム」を導入することで、デザインフィジビリティの精度とスピードアップを図っています。同時に、DE(デベロップメント・エンジニアリング)という部署を、デザインや設計を行う(株)本田技術研究所に設置しています。開発の初期段階から、設計者と、塑型技術の生産技術者が共同して仕事を進めるため、量産までの準備期間が飛躍的に短縮できるという利点があります。
Hondaにおけるホンダエンジニアリングと車体金型領域の役割は?
現在、自動車業界はさらなるグローバル化と、開発サイクルの短縮化が進んでいます。よりタイムリーに生産設備を世界中の拠点に設置することが求められており、Honda全体におけるホンダエンジニアリングの役割は、今まで以上に大きくなっております。また、Hondaのお客様のニーズが多様化し、一人ひとりが違うデザインのクルマに乗りたいという要望がより一層強くなっているため、車体金型領域が果たす役割はますます重要になると認識しています。
海外で活躍する機会は多いですか
はい。世界中のお客様が、それぞれ必要としたデザインのクルマをつくることが我々の大きな仕事です。最近では北米専用モデルが増え、北米の開発部門との連携も、より密接になっています。国内で販売されているモデルをそのまま販売するのではなく、現地の方に受け入れられるデザインを採用することで、「世界各地のお客様に満足していただく」というHondaの理念を具現化しているのです。今後は、生産拠点がオープンしたばかりの中国でも、現地に合った機種をつくりたいですね。
これまでに一番印象に残っている仕事は?
'96年ごろ、Hondaの歴史上初めて、イギリスのチューニングメーカーに委託開発するプロジェクトがあり、私もメンバーになりました。現地の開発メンバーとデザインから製品仕様の細部に渡る検討を金型生産技術をベースに行ない、Honda生産技術の代表として業務を進められたことに大きな喜びと達成感、自信を得ることができました。同時に、Hondaの塑型技術の優位性を改めて認識できたという収穫もありました。数年後、欧州で量産された、 そのクルマを街中で見た時は感激しましたね。国内で自分の関わった機種を見かけることももちろん嬉しいのですが、海外ではひとしお感慨深いものがあります。
仕事における将来の夢を教えてください
まず一つ目は、デザインの決定段階から量産までの期間を50%削減することです。この究極の生産技術は、Honda独自のDE部隊とナレッジDE、デジタルコピー技術の三本立てで実現可能だと考えています。二つ目は、デザイナーが思い描いたクルマと寸分違わぬ車両を量産化することで、Hondaの歴史をつくることです。こちらの夢は、欧州で発売予定のシビック・タイプRなどをはじめ、すでに実現に近い地点まで到達しつつあると感じています。
担当領域では、どんな人材を求めていますか?
私も中途入社ですが、Hondaという企業は、中途入社者が力を発揮できるフィールドがあります。自分の持っている強みがあらゆる可能性につながると思うので、積極的に応募していただきたい。特に車体金型の領域では、今まで金型設計や加工技術が重視されてきました。ところが、現在は測定技術が重要な時代となってきており、異業種の方の力が生かせるようになってきています。実際に、家電メーカーで非接触の測定技術に携わっていた方や、画像処理の経験のある方が中途入社しています。自動車業界以外の方もぜひチャレンジしてほしいですね。
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